新会社法により会計参与制度が導入されて4年が経ちました。

当初は、世界に類を見ない制度なので

・実務の参考になる事例がなく、学説等も定着していない

・判例等も示されていない

・実務のサポート体制がない

といった点から「様子見」に回り、

敏感に反応しない会計人が多かったようです。

他方、スタート時から積極的に行動した会計人もいました。

会計参与制度の持つ意義に共鳴して

実際に会計参与に就任。

多様な経験や事例を積み重ねて今に至っています。

研修が活発に

会計参与への就任を迫られた(?)場合などの「駆け込み寺」

といった存在になっているNPO法人会計参与支援センターは、

会計人の中から自発的に生まれたもの。

この4年間で、実務セミナーをおよそ100回開催。

延べ1,000人が参加しています。

その成果は3分冊の「会計参与実務必携」などにまとまっています。

日税連はこの2年間で、会計参与普及・推進のための講師などを

養成する「会計参与実務研修会」を全国で5回開催。

延べ400人以上が受講しています。

各税理士会やその支部においても、会計参与就任者などによる

会計参与の実務や事例紹介の研修が継続的に開催されています。

サポート体制

NPO法人会計参与支援センターではサポートデスクを設けて

寄せられた質問に原則1週間以内で回答するなどの

対応を行っています。

契約書作成や責任限定契約の記載の仕方などに始まり

多様な相談が寄せられているようです。

会社法上の書類の雛型など、会員からの要望が多いものは

インターネットなどを通じて提供しています。

日税連においても、会計参与に関する相談依頼の体制を

構築したとのことなので、今後大いに注目されます。

今後の役割

会計参与設置会社は既に2千社超と報道されています。

会計参与就任者は、当初こそ計算書類の作成に

戸惑いと難しさを感じるのですが、

実務を重ねるうちにその困難さは薄らいでいくようです。

代わりに浮かび上がってくるのが、

作成した計算書類をどう使うかという問題。

会計参与には、計算書類を使って

経営に役立つ意見や判断を提供するという役割が

期待されるのです。